サッカーW杯の敗因
ジーコ監督が、日本代表選手のプロ意識欠如を敗因としているが、その言葉をそのままかえして、W杯監督のプロ意識欠如を敗因と言いたい。使えない駒を使ってもなんとかチーム勝利に導くことこそ優れた名将であるからだ。FWの決定力不足が叫ばれて久しいが、いまだにサッカープロ養成小学校、中学校が日本に存在しない。厳しい入学試験に合格した優秀な人材には惜しみなく税金を投入していくべきであろう。平等義務教育が、日本が伸び悩む一因と考える。
ジーコ監督が、日本代表選手のプロ意識欠如を敗因としているが、その言葉をそのままかえして、W杯監督のプロ意識欠如を敗因と言いたい。使えない駒を使ってもなんとかチーム勝利に導くことこそ優れた名将であるからだ。FWの決定力不足が叫ばれて久しいが、いまだにサッカープロ養成小学校、中学校が日本に存在しない。厳しい入学試験に合格した優秀な人材には惜しみなく税金を投入していくべきであろう。平等義務教育が、日本が伸び悩む一因と考える。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での日本優勝おめでとうございます。王貞治氏率いる日本代表が優勝し心から喜んでいます。太平洋戦争でアメリカに完敗し、焼け野原で多くの子供たちが手作りのグローブとバットをもって草野球に熱中してから61年目の快挙でした。国のためではなく自分のために生きればよい、勝敗より個性が重んじられる風潮が横行しています。しかしいったん外国に出れば日本人(ジャップ)として生きる以外になく、勝負の世界で自分が楽しめれば負けてもいいと思っている国際人は存在しないこと、そして世界一を決める大勝負で勝つためには、どれほどの忍耐力、愛国心、自己犠牲、団結力、信頼感が必要かをイチロー選手に教えていただきました。メジャーリーガー大塚昌則選手が、8回裏のキューバの追撃をきっちり断ち切ったことが最大の勝因だと思います。私が日々携わっている小児医療も治せるか治せないかといった勝負の繰り返しであり、イチロー選手を鏡として基礎訓練をたゆまなくやっていく決心であります。
唐招提寺は実家から近いし、子供のころから好きでよく訪れていましたので、昨夜の鑑真特集を興味深く拝見しました。鑑真が幾度の苦難にもめげず日本を訪れようとした理由が、宗派を問わず日本の僧侶に「気」と「戒律」を授け、伝来して間もない日本仏教が早くも絶滅するという緊急事態を打開するためであったことは知っておりました。奈良時代、税金逃れで僧侶が増えたため、僧侶の受戒制度が導入されたというくだりは、不況逃れで医師が増えたため、専門医制度がつくられた昨今に似ていると思いました。鑑真が受戒制度をつくり、結果的に税が増えると朝廷は喜び鑑真を昇進させ、鑑真が真の僧侶をたくさん育成して、税が減ると数年で鑑真を解雇したことを知り、官僚のご都合主義と同じだと思いました。朝廷の圧力に屈服せず、真の僧侶を養成し続けるという来日当初の夢を追い続けて創った私立学校こそ、唐招提寺であったと教えられ、鑑真のすばらしさを再認識しました。
男女平等、受験機会均等化という時流に後押しされ、旧制高校の蛮カラを廃止し、旧帝大の無味乾燥な専門教育を否定することから、新制大学が見切り発車的に始まった。狭い校舎に学生を溢れんばかり詰め込んで、いったいなんの大学教育か。ヒトは養豚場のブタではない。思春期を第二の誕生とするなら、新生児同様、親代わりの教育者はゆったりとした空間と時間と愛情を生徒に注ぎ込むべきだ。こどもを叱らない親が、他人を思いやれない甘えん坊をつくるように、生徒を叱らない教師が、義務を怠り権利ばかり主張するおとなをつくる。教育は決して労働闘争の対象ではない。思春期をこどもからおとなに脱皮し、自分の価値観を築く疾風怒濤期とするなら、受験勉強に追われ、塾や予備校に利潤搾取される現代が、価値観を持てないフリーターを多く生み出しても不思議はない。
日本が世界と対等につきあっていくためには、活力に満ち成長を止めない若者を輩出し続ける必要がある。
平成17年8月1日から奈良市の乳幼児医療保険制度が改正されます。小学校就学前の乳幼児に対し、何回受診されても1ヶ月あたり500円で済むことになりました。たとえば高額なアレルギー検査代もこの制度改正によって解消されることになりました。
奈良市でも、ようやく小児科専門医による乳幼児医療保護のための第一歩が踏み出されました。乳幼児の風邪の中には、単なる風邪だと思っても実はもっと重い病気である症例はよく経験されます。より正確かつ迅速な、検査・診断・治療が求められています。
今日はNF-κBデコイ軟膏について解説したいと思います。NF-κBは炎症を引き起こす主役とお考えください。デコイ(decoy)はオトリという意味で、NF-κBを半分程度抑制します。全部抑制しますとステロイド剤のようにさまざまな副作用を生じますので、半分程度といったところがミソです。デコイが血中に入りますとDNA分解酵素の働きですぐに分解されますので、肝臓を傷めることはありません。RNAを用いた治療がいま盛んに研究されていますが、RNA分解酵素は皮膚をはじめ身体のいたるところにあって、RNAデコイは不安定で使いにくいのが欠点です。
私が研究開発したNF-κBデコイ軟膏は、白色ワセリンを基剤として、少し乳化剤を加えてNF-κBデコイを綺麗に混ぜてあります。NF-κBデコイは毛穴を通って、真皮に到達します。顔面には毛穴が多いので、一番効果が出るのです。真皮にはアトピーの原因である肥満細胞が住んでおり、痒みの元になる物質をたくさん胃袋に蓄えているのです。ゴミ処理人(スカベンジャー)ともいえる肥満細胞が、ゴミのようなDNA(NF-κBデコイ)を喜んで食べるのです。リンパ球にはそういった貪食作用がないために、NF-κBデコイによって免疫抑制がかからず、プロトピック軟膏のような副作用は出ないのです。肥満細胞にまんまと食べられたNF-κBデコイは、肥満細胞の細胞死(アポトーシス)を促し、痒みが速効で消えるという仕組みです。NF-κBデコイ軟膏は人智の極みともいえるのではないでしょうか。
アメリカニューヨークのアレルギー学会(AAAAI)で発表したときは、口演直後から1分間座長と聴衆から拍手喝采(スタンディング オベーション)をいただきました。ぜひ臨床応用までもっていってほしいとも頼まれました。もうすぐ日本の皆様からも納得して受け入れていただけることを確信しています。
骨の中には空洞があり、ドロっとした骨髄が詰まっています。骨髄には生まれる前から、幹細胞が脈々と生き続けています。幹細胞は酸素が乏しい環境でしか生きていけないのです。ある臓器から、再生が必要という緊急信号が血管に出され骨髄に達しますと、こんどは骨髄から血管へ幹細胞が放出され、事故現場に到達した段階から分化をはじめ、欠けた臓器を補います。遺伝子治療により正常化された幹細胞を補うことによって、多くの先天性遺伝病が治療できる時代は、もうすぐそこまで来ています。
奈良学園前で開業して気づいたことがありました。罹患数は検討しておりませんが、大阪府下の小児科外来に比べて、鼻炎が非常に多いという印象をもっております。かぜをひいた子どもさんはたいてい鼻水、鼻づまりも起こしています。四方を森林に囲まれ、吉野杉の影響が強いのが原因でしょうか。
たしかに鼻水や鼻づまりが続きますと、副鼻腔炎や滲出性中耳炎を知らず知らずのうちに発症していることがあります。そのため鼻風邪にかかったと感じられたら、耳鼻咽喉科へまず受診される傾向があるようです。しかし、気管支喘息や肺炎の発見が遅れることもありますので小児科受診をお勧めします。とくに発熱している小さなお子様の場合はなおさらです。
今年はスギ花粉が例年の倍以上飛散すると予測されています。早めの花粉対策をお勧めします。
最近、漢方のバイブルである傷寒論を見直す機会がありました。西洋薬が発明されてはすぐ消えていく現代においてなお、2000年もの長きにわたり、第一線の医療薬として用いられていることには驚愕します。厳寒地の薬味と熱帯の薬味が一定の比率で混ざり合って、ひとつの漢方薬がつくられています。その比率が決まるまで、どれだけの臨床治験が繰り返されたことでしょう。異質なものが時には競争し時には融和することにより、永遠なるものが形作られるという、いい一例ではないかと思います。
ステロイドがなかなか離脱できず、2ヶ月近い入院となってしまいましたが、先日ようやく退院できました。いまのところ血尿や蛋白尿の合併なく経過しております。これほど治癒の遅い腸性紫斑病ははじめて経験いたしましたが、腸重積や腸穿孔といった合併症なく経過できましたことは、ひとえに病院スタッフの暖かい治療と看護のおかげだと、大変感謝いたしております。あとは円形顔貌や中心性肥満といったステロイド副作用を治すべく、漢方薬内服は続けております。
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