項羽と劉邦

張楚を建国し秦に反旗を翻した陳勝呉広の乱は、秦の名将・章邯（しょうかん）によって早々に大敗北。項羽か劉邦か、垓下の戦いギリギリまで天下がどっちかわからなかった。項羽の斉遠征留守中に後宮で董卓のごとき狼藉を働き、韓信が手塩にかけて育てた軍隊を横奪した劉邦が、項羽と広武で交わした和平の約を早々に裏切って、項羽を背後から追撃して陳下の戦いで勝利。項羽の愛妾が虞美人なら、劉邦の愛妾は戚夫人。この戚夫人、劉邦の死後に呂后によって息子を殺され自分は人豚に処される。白頭山の戦いで匈奴・冒頓単于にぼろ負けした劉邦。もし項羽なら冒頓単于を打ち破っていただろう。そもそも、もし呂后に殺された韓信が蒯通（かいとう）の天下三分の計を受諾していたら、漁夫の利で天下を十分とれていた。そうなれば「漢字」と呼ばれず、「韓字」と呼ばれていたかもしれない。項羽は30歳で死に、劉邦は63歳まで生きた。