NHK「3か月でマスターする世界史」第1回
私が尊敬申し上げている中国史の岡本隆司先生が監修の番組。中央アジア視点からのユーラシア史の重要性を説いておられる。遊牧民と農耕民の織り成す文明。商売のトラブルを避けるために文字による契約が生まれ、それを商人が仲介し、屠殺に長けた遊牧民が市場の警備を担当。去勢術は宦官に応用され交易された。警官はときに強盗に転じた。商人財宝が集まるところ、遊牧民襲撃に対抗すべく羅城都市国家に発展を遂げた。子供のころから、計算や文字や多言語を叩きこまれた商人の頭脳は世界史上もっともすぐれていた。彼らは、計算と文字ができなければ生きていけないし、通訳できなければ商売でだまされるからだ。勉強についていけない商人の子供は、宗主国の兵、富豪子飼いの暴力団、隊商の私的用心棒として生きていった。商人の信じたゾロアスター教が世界宗教に多大な影響を及ぼした。天使(飛天)と堕天使(悪魔)、天国と地獄。
去勢・屠殺に長けた遊牧民が羊を食べているのはわかるが、農耕民は牛を食べなかった。高級な農具を食べるわけがなかった。
モンゴルの東西統一はよく知られているが、突厥の東西統一も無視できないとわたしは思っている。突厥の監視保護下でソグド人の交易ネットワークが爆発的に拡大できたからだ。突厥滅亡後は、ウィグルとハザール王国(西突厥分家)が東西分け合って軍事担当。ハザール王国はイスラム北方進出の防壁となった。
シルクロード以外に、国際間の利権抗争が少なくより安全だった、草原の道&海の道も忘れてはならない。スマトラ島海路はヤバかったみたいで商人は避けていたみたいだが。
ローマ帝国もオリエント。いろんな説はあれど、メソポタミアはヒッタイトやギリシャへ、ギリシャは南イタリアから、井の中の蛙だったローマへ文明を伝えた。
| 固定リンク
最近のコメント