宝塚歌劇月組「エゴン・シーレ」(ライブ配信)をみて
午前診を終え、自宅でまったりと月組GDSを観劇しました。これは月組一番の代表作でしょうね。
ギムナジウム、私も中高一貫でギムナジウムを体験しましたが、エゴン・シーレ疾風怒濤期の葛藤をもう少し描いてもよかったかもしれません。中学入試問題頻出だったヘルマンヘッセ「車輪の下」を大昔読んでいましたが、それによるとラテン語文法の勉強がうっとうしくて仕方がなかったそうです。きっとエゴン・シーレもそうだったのかな。アビツーア(Abitur)で高得点をあげて大学医学部に合格すれば、カロッサ「美しき惑いの年」のような自由解放されたロマンスが待っているわけで、若いうちはひたすらがまん、がまん。絵の才能あふれるエゴン・シーレは出世の道を捨ててモデルのヴァリといっしょに貧乏暮らしをはじめます。シルバー・クリムト(銀メダルのクリムト)と呼ばれていては永久にクリムトを超せない。地図のない険しい道を歩んだエゴンが、戦役・貧乏・ヴァリとの身分差同棲に挫折し、金欠で子供をモデルに描いたことが変態幼児誘拐犯の冤罪を着せられて投獄。出所後、父アドルフと同じ鉄道員の娘エディトと知り合い結婚する。結局、父アドルフの言うとおりに生きていても同じだったじゃんと、ふと思いがよぎる。しかし最後まで絵を描くことを捨てなかったエゴンの短い28年の一生だった、傑作「死と乙女」をこの世に残して。
イケメン・美人だらけの月組さんのすばらしい公演でした。
エゴン・シーレ 彩海せら
ヴァリ 白河りり クリムトのモデル・前妻
アドルフ・シーレ 大楠てら 父
マリー・シーレ 桃歌雪 母
クリムト 夢奈瑠音 死期の巨匠
トート 彩音星凪 死に体のエゴン自身
エディト 花妃舞音 お嬢さん妹・後妻
アデーレ 菜々野あり お嬢さん姉
アントン 瑠皇りあ 友人
ゲルティ・シーレ 澪花えりさ 妹・アントン嫁
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