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2023年11月 4日 (土)

バルカンはヨーロッパの火薬庫

イタリア半島を侵略したランゴバルド王国は、意外にうまくイタリアを治めていたが、イタリア全土を取り戻しに来た同族ローマ人のビザンツ帝国が、かえってイタリアを荒廃させた。パンノニアは古代ローマ帝国も統治に手こずっており、攻めるも守るも難しい険しい地形。

ビザンツが西のブルガリア帝国や東のイスラムに手こずっている間に、パンノニアにセルビア人が侵入。当初は雌伏の姿勢をとったが、やがて反抗、独立。ビザンツは過去の栄光であったイタリア全土失地回復どころではなくなった。やがてイタリアは神聖ローマ帝国、フランス王国、スペイン帝国の侵略を受け、教皇派(ゲルフ)と皇帝派(ギベリン)に分かれ、各々、教会法とローマ法という違った法によって統治を受けた。十字軍で儲け、バルト海交易圏と地中海交易圏を結び付けてさらに儲け、オスマン帝国に雌伏・同盟して儲けに儲けて、ルネサンスの培地となった。

北イタリアを実効支配し続ける神聖ローマ帝国は、ローマ教皇と叙任権闘争で争い、教会から派生した大学に自治権を与え、教会法で保護されないドイツ留学生をローマ法で保護するという名目で教皇派にゆさぶりをかけたが、ロンバルディア同盟がその動きに反発した。

中部フランクだったイタリアは東フランクのもの?西フランクのもの?

神聖ローマ帝国 東フランク系カトリック、皇帝派支持

 皇帝になるためにはローマ教皇による戴冠式が逐一必須。ただし、司教と修道院長は皇帝の配下だろ。破門という切り札に弱い。

ビザンツ帝国 ギリシャ正教(ギリシャ系ローマ人皇帝が神)

セルビア帝国 セルビア正教(スラブ系セルビア人皇帝が神、ギリシャ正教は気に食わない)

ブルガリア帝国 ブルガリア正教(トルコ系ブルガリア人皇帝が神、ギリシャ正教は気に食わない)

 ブルガリアはカタリ派の温床となり、のちアルビジョア十字軍を受け殲滅する。

ローマ教皇 カトリック(ギリシャ正教滅ぼすべし) 教会派支持

フランス王国 西フランク系カトリック 北の変身を遂げたノルマン系イングランドに手こずりイタリア侵略へは全力出せず。いじめられたらローマ教皇に仲介を依頼。

スペイン帝国 新大陸まで領土を広げすぎて戦費がかさんで経済破綻。「栄光ある孤立」大英帝国の餌食となった。

イスラム帝国 スンナ派vsシーア派 (ペルシャ系イラン人はプライドが高く総本家アラブ人やマムルーク系トルコ人と対立)

 

 ビザンツ、セルビア、ブルガリア、フランスは教皇派、皇帝派の対立を見守り、漁夫の利を得る。

 

ロシア帝国 ロシア正教(我こそは欧州覇者ローマ帝国の後継者なり)

 モンゴル系タタールにいじめられる。ロシア皇帝、狂暴すぎる!

 

イタリア海洋都市は、東のヴェネツィアと西のジェノヴァがひどく対立。ビザンツ帝国はヴェネツィアを優遇したが、フランス伯爵とヴェネツィアがラテン帝国を建て、首都コンスタンティノープルを乗っ取ると、ビザンツ帝国はニケーアで臥薪嘗胆、ジェノヴァと同盟。のちジェノヴァ黒海植民都市は、モンゴルに奪われた。

オスマン帝国 スンナ派(カリフとスルタンを兼ねる最強のイスラム頭首)

 海軍補強のためヴェネツィアと同盟、神聖ローマ帝国ウィーン挟撃のためフランスと同盟。東地中海はオスマン、西地中海はスペインが制覇。海軍国家オランダに勝った海賊国家大英帝国がゆっくり強奪。

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