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2022年10月18日 (火)

宝塚歌劇星組「ディミトリ」の予習

苦手なイスラム史を簡単に予習しとこ。コーカサスとは、紛争が絶えない場所だし、超マイナーだわ。チンギスカン(1162~1227)前夜。

おすすめは、研伸館世界史講師の明瀬美紀先生と駿台世界史講師の茂木誠先生。

茂木先生で系統的に世界史を学び、明瀬先生で知識を俯瞰総括すればよい。

1004年 澶淵(せんえん)の盟

 兄が契丹族の遼、弟が宋

1044年 慶暦(けいれき)の和約

 兄がタングート族の西夏、弟が宋

 満洲女真族のと宋が同盟して遼を滅ぼし、遼は西へ逃げ耶律族の西遼を建国。

1126年 靖康(せいこう)の変

 金が宋皇帝・欽宗と宋上皇・徽宗を捕囚し、宋は江南に逃れ南宋を建国。

 

中世ヨーロッパの揺りかごだった、アラブ人のアッバース朝。いまも尊敬されて止まない神聖ローマ帝国・カール大帝(シャルルマーニュ)はアッバース朝に学び帰国し、カロリングルネサンスをヨーロッパにもたらした。

3カリフ(マホメット後継者)並立

 アッバース朝、ファーティマ朝、後ウマイヤ朝

「シーア派からスンニー派に改宗したアッバースの憂い」

ほとんどスンニー派。シーア派はブワイフ朝、ファーティマ朝、サファヴィー朝。

 イスマーイール派(過激シーア派) ファーティマ朝 マラーヒダ(暗殺者教団)

 十二イマーム派(穏健シーア派) ブワイフ朝、サファヴィー朝

イラン人はもともとゾロアスター教(拝火教)を信仰。アラブ人のイスラムに改宗する。しかしペルシャ帝国のプライドが高く、アラブ人に雌伏することを善しとせず。アラビア数字を駆使し算数計算経理が得意。

トルコ人は匈奴建国、身体屈強で匈奴滅亡後は奴隷として徴用され、奴隷身分から国王まで立身出世した。

9世紀以前はアラブ人国家。

10世紀以後はほとんどトルコ人国家。

イラン人国家はサーマーン朝、ブワイフ朝、サファヴィー朝。

スペイン人に似たベルベル人国家はムラービト朝、ムワッヒド朝。

クルド人国家はアイユーブ朝。

イラン系アフガン人国家はゴール朝、ロディー朝。

*場所 イベリア・北アフリカ・エジプト・メソポタミア・アフガニスタン・中央アジアの順で

9世紀 後ウマイヤ・イドリース/アグラブ・トゥールーン・アッバース・ターヒル/サッファール・サーマーン

10世紀 後ウマイヤ・イドリース・ファーティマ・アッバース/ブワイフ・ガズナ・サーマーン/カラ=ハン

*シーア派ブワイフ朝が大アミールになったが、税収が減り給与が払えないため軍人・官僚に徴税権を与えるイクター制により衰退。

11世紀 ムラービト・ムラービト・ファーティマ・セルジューク/アッバース・ガズナ・カラ=ハン

*スンナ派セルジューク朝がスルタンになったが、税収が減り給与が払えないため軍人・官僚に徴税権を与えるイクター制により衰退。

12世紀 ムワッヒド・ムワッヒド・アイユーブ・ルーム=セルジューク/アッバース/ホラズム=シャー・ゴール・西遼/ナイマン部

*アッバース朝がカリフをやりながら無政府状態の中、政治をおこなった。(アッバース朝の復活)

13世紀 ナスル・マリーン/ザイヤーン/ハフス・マムルーク・ルーム=セルジューク/イル汗国・イル汗国・チャガタイ汗国

*クルド人のアイユーブ朝がスルタンになったが、少数なのでマムルークに頼った。

*アッバース朝はモンゴル軍に滅ぼされたが、最後のカリフがエジプトに亡命、マムルーク朝が保護した。

*マムルーク朝はモンゴル軍を撃退した。

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*セルジューク朝

1071年 マンジケルトの戦いでビザンツ帝国を破り小アジア(アナトリア)へ進出。イラン高原の本家を大セルジューク、小アジアの分家をルーム=セルジュークと呼んだ。ルームはローマの意味。大セルジュークは、ホラズム=シャー朝によって滅ぼされた。

1095年 ビザンツ帝国の救援要請にローマ教皇ウルバン2世が応え、クレルモン公会議で十字軍派遣を決定。

 

*コーカサスのグルジア王国(ジョージア)

1080年 ダヴィド4世 コサック騎兵を傭兵として強くなり、セルジュークトルコと形勢逆転する。

1156年 ギオルギ3世

1184年 タマル女王

1213年 ギオルギ4世

1223年 ルスダン女王 

 ディミトリがルーム=セルジュークから人質としてグルジア王国へ送られた。あれだけ強かったセルジューク朝が弱体化著しい。

1245年 ダヴィド6世(ルスダン実子)とダヴィド7世が両統迭立

 

チンギス汗が西遼を侵略、同時にゴール朝が北インドを侵略。1219年、チンギス汗がホラズム=シャーに報復全滅させ、ホラズム=シャーの生き残り、ジャラルッディーンがデリー=スルタン朝、アッバース朝、グルジア王国、アイユーブ朝、ルーム=セルジューク朝と転戦したが、モンゴル帝国オゴデイ追討軍チョルマグン・ノヤンに敗死。

 

西アジアの雄だったホラズム=シャー王国。チンギスカンに敗れ、逃げまくってる割に、亡命遠征先での戦争には強かったジャラルッディーンこそ、主役ヒロインにしたらどうかな。かなり魅力的な人物だ。

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