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2021年9月24日 (金)

スペイン史について感想

皇帝と民を鎖につないで引きずり回しアステカ文明やインカ文明を滅ぼすという凶暴な犯罪をスペインがなぜ起こしたのかに半世紀興味があった。スペインには実は大きく二つの国、カタルーニャとカスティーリャがあって、カタルーニャのルーツはフランク人、カスティーリャのルーツはバスク人。その凶暴性はカスティーリャがカタルーニャを制圧したところから生じたものであることが分かった。

あれだけ世界最先端の科学技術を有したローマ帝国が、キリスト教を信じれば信じるほど、原理主義に陥れば陥るほど、未開人に逆戻りしていった。たしかにヴァンダル族のようなゲルマンは凶暴であったが、西ゴート族は、話せばわかる温和な人たちであった。東ゴート族やランゴバルド族もしかり、イタリア半島の住民は幸せだった。東ローマ帝国が失地回復を叫んで騒動が絶えないイタリア半島とはちがって、西ゴート族が静かに治めたイベリア半島が世界最先端の科学技術を有していた。そこへウマイヤ朝がイベリア半島をわずか5年やそこらで制圧。フランク王国の領土を分けてと言っても、あっち行けと言われ、山の上で原住民バスク人だけが抵抗運動していた状態。スコットランド・アイルランド以外のケルト人が滅んだのに生き残ったバスク人はほんとうに凄いと思う。旧ローマ領エジプトのアレクサンドリアを制圧し科学技術を受け継いだウマイヤ・後ウマイヤ朝も本国からイベリア半島に持ち込んで暖かく育ててくれた。そしてアッバース朝はバクダードで大々的に科学技術を発展させ、世界最先端の文明国に躍り出た。現在のアメリカのように、スペイン、そしてバクダードが世界のリーダーであった。民との摩擦を避けるためキリスト教原理主義に陥ってしまった西ゴート族はユダヤ人を排斥したが(悪のうしろには必ずローマ教皇がいる)、後ウマイヤ朝はユダヤ人を保護し、なにより経済力もすごかった。英国のオックスフォードもケンブリッジも、スペインのトレドとセビーリャとコルドバからすべて学んだものであった。ところが、ムワッヒド朝のようにイスラム教徒も原理主義に陥ってしまい、科学技術の進歩を停めてしまった。

俺こそ聖シャルルマーニュ(カール大帝)を崇め奉る正統なフランク人だと自負する民族が四つあった。フランス人、オーストリア人、イングランド人、そしてカタルーニャ人。そのシャルルマーニュもアッバース朝の文明の高さには頭が上がらず、敬ってやまなかったのである。

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