« いま流行っている病気 | トップページ | ローマ帝政後期(絶対君主政) »

2021年4月26日 (月)

ドイツ映画「会議は踊る」(1931)をみて

長いナポレオン戦争に決着がついて、ヨーロッパじゅうが解放感に満ち満ちていた。もう戦争で死ななくていいのだから。オーストリア首相メッテルニヒは要人にワルツを踊らせて大事な課題を可決していく。対するフランス外相タレーランは、重臣が戦死してしまい新兵しか残らず羽根をもがれた肥満体の老鷲の如きナポレオンをフランスにわざと連れ戻して、どさくさに紛れてフランスに有利な一発逆転の国際決議にこぎつけようと画策していた。結局、フランスはベルギーを獲得、オーストリアは替わりにロンバルディアとヴェネチアを獲得。アレクサンドルのロシアが出る幕もなく、大英帝国ウェリントン将軍とプロイセン参謀グナイゼナウだけでナポレオンは再び敗北。何万人という戦死者を新たに生みながら。ひどいもんだ。

宝塚版とずいぶん違っている。ドイツ語ベラベラだった旧制高校生に大人気だったようだ。ストーリーは宝塚版のほうが物悲しくてロマンチックだ。

サーシャは登場せず、アレクサンドルと瓜二つの替え玉ウラルスキーという人物が登場。アレクサンドルもウラルスキーも絶世のハンサムなのだが、ウラルスキーには唯一の弱点があった。それがハゲ頭。カツラをとるとズル剥けてしまう。クリステルは最初からアレクサンドル皇帝と知って恋に陥っていたんだね。

ブクブク太ったお髭の親衛隊長ビビコフがいて、アレクサンドルには敬礼、ウラルスキーには家畜に対するが如き扱い。ウィーン会議にはウラルスキーを出席させておいて、アレクサンドルは、花束をぶつけられたクリステルを馬車で迎えに行かせ自分の別荘に住まわせて、毎晩のようにドイツの陽気な酔っぱらいの歌とともに二人でワインに浸っていた。ナポレオン終身流刑決議の会議にはメッテルニヒの裏をかいて、アレクサンドル自身が出席するつもりがクリステルと再会しメッテルニヒが単独決議。そのときナポレオン・エルバ島脱出の報が流れ元の木阿弥。

メッテルニヒのデスクには当時の盗聴器が仕掛けてありリアリティがあった。各国首脳の手紙は封を開けてはいけないので、ライトに透かして盗み読みしていたのもリアリティがあった。メッテルニヒの秘書ペピはクリステルを片思いしていたが、クリステルからは相手にされず。

舞踏会にはエリザベートは登場せず、フランツ・ヨーゼフが登場していた。

あるご婦人の思い付きでアレクサンドルをナポレオン終身流刑決議反対票の足止めをするために一肌脱いで慈善舞踏会を急遽企画。ウラルスキーがあまたのご婦人とキスをせざるを得ず、遠目にアレクサンドルがみて笑っていたが、クリステルが現れるや否や、ウラルスキーを引っ込めるようビビコフに厳命。アレクサンドル自身がクリステルと熱いキスをかわす。

ペピがナポレオン脱出の報をウラルスキーに伝える。酒場でワインを呑んでいるアレクサンドルのもとにその知らせが届き、「明日会おう。」と一言いい残してクリステルと別れ馬車に乗り込む。クリステルはナポレオン復位の報を盗み聞きしてしまい、もうアレクサンドルとは会えないことは察知していた。太った歌手がろうろうと主題歌を歌って物悲しくエンディング。

|

« いま流行っている病気 | トップページ | ローマ帝政後期(絶対君主政) »