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2016年5月30日 (月)

いま流行している病気

高熱と咳と鼻漏がつづく1~2歳児が増えてきています。インフルエンザ抗原を調べても陰性です。これはhMPV(ヒトメタニューモウィルス)感染症ですので、肺炎の確認が必要です。10歳以上は免疫があるので、かかにくくい病気です。

1.hMPV(ヒトメタニューモウィルス)感染症

2.溶連菌感染症

3.おたふくかぜ

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2016年5月28日 (土)

第32回大阪食物アレルギー懇話会に出席して

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午前診を終え、大阪食物アレルギー懇話会に開場まもなく一番乗りで行ってきました。

神奈川県立こども医療センター 栗原和幸先生

「食物アレルギーのパラダイムシフト」

副題が「スキンケアによる乾燥の改善が食物アレルギーを予防する」

卵やミルクを食べていないのに、ベビーがなぜアレルギーに感作するのか謎でした。経口・経腸感作でないとすると経胎盤感作、経母乳感作が疑われたことがありますが、これらは否定され、いまは経皮感作と考えられています。

10年以上前に、無名の日本人女性3人がハウスダスト中に卵やミルク抗原量を測定して日本語雑誌に報告しており、ハウスダストの食物抗原が、ベビーの皮膚に付着して食物アレルギーに感作するようです。

ベビーはセラミド生成が未熟で、乾燥肌になり、皮膚表面から抗原の攻撃を受けやすくなっています。

この考え方で進めると、ベビーは生まれてすぐから積極的に保湿剤を使い、ハウスダスト中の食物抗原からの攻撃を防御しておくのが得策でしょう。

もうひとつ。

食物抗原を早く食べているほうが、食物アレルギーになりにくいということ。1911年のマウス実験ですでに報告されていました。

食物抗原を食べて1~2時間後に小腸から未消化たんぱくが吸収されて、食物アレルギーを起こす現象から、食物抗原を厳格に除去すれば食物アレルギーが治ると単純に推測されてきましたが、いまは否定されています。むしろ弱抗原化(つまり加熱処理)された食物抗原を少量摂取しておくほうが食物アレルギーにならないとされています。

ここで注意しなければならないのは、ベビーの小腸の環境です。下痢しているときに食物抗原を与えると普段より大量の未消化のたんぱく抗原が血液中に進入します。食物アレルギーを抑制するどころか、かえって促進してしまいます。善玉菌が死滅して、悪玉菌がはびこっているときも同様です。しっかりといいウンチが作れるようになってから、食物抗原摂取を開始すべきです。

0歳児は歯も生え、もぐもぐから、かみかみに食物を咀嚼し、唾液でまず消化できるようになります。さらに胃酸や小腸分泌液で食物は分解され、悪いゴミを腸内細菌がさらに分解処理してくれます。こうなるとだんだんと食物アレルギーを起こさなくなってきます。

まとめ、食物アレルギー予防のためにすべきこと。 

1.生まれたらすぐ保湿して、ハウスダスト中の食物抗原感作を防ぐ。風呂に入ってハウスダストを皮膚から洗い落とす。アトピー性皮膚炎を早期に積極的に治す。

2.少量ずつ食物抗原を積極的に摂取し始める。離乳食開始を遅らせるな。好き嫌いが出てきたらもう遅い。

3.しっかりと食物を咀嚼する。早食い大食いは禁物。未消化な食物は大敵。手づかみで食べるとき、べたべた皮膚につけるのはほどほどに。エプロンをかけなさい。

4.いろんな食物を回転摂取し、ひとつの食物を食べすぎない。

5.下痢の時は、油ものを避け、加熱処理した柔らかい食物を食べる。早く消化不良を治す。ミルラクト(乳糖分解酵素)使用も一策。

6.悪玉菌が繁殖する有毒な便秘は大敵。毎日一回排便を促すこと。ヨーグルトや乳製品で善玉菌を補う。

さて一般的なアレルギーのお話。

ヘルパーTリンパ球にはTh1とTh2の二つのタイプがあり、Th1/Th2バランスがくずれるとアレルギーを生じます。

胎児期はTh2優位ですが、生まれてすぐ食べ物から腸内細菌を摂取したり、BCGワクチンを接種したり、昔は寄生虫や食中毒菌に感染したりして、Th1の勢いが増し、アレルギーを防いできました。東京医科歯科大の藤田先生がおっしゃるように、寄生虫がいなくなり、抗生剤入りグッズ開発の氾濫で細菌暴露が減ったために、アレルギーのこどもが激増しています。

ゲームがこどもの精神発達をズタズタにしているように、環境の清潔化も大きな社会問題だと思います。

パッチテスト > RAST血液検査 > チャレンジ(食物負荷)

この順で感受性が高くなります。RAST陰性でも皮膚につけば赤くなることがありますし、RAST陽性でもチャレンジしてみないと食べられるかどうかわからないのです。要は、安全に食べることが目的です

パッチテストよりRAST血液検査のほうがより食物アレルギーの状態把握をしやすいのです。

講演後、尼崎医療生協病院の冨永弘之先生にお会いして、いろいろ教えていただきました。いつもありがとうございます。

抗原感作しにくく免疫寛容を起こしやすい卵や乳製品や小麦製品の商品開発をなぜしないのかとお聞きしたところ、そんな高価な特許商品は誰も使わないだろうし、保険適応になったら保険制度を金銭的に圧迫してしまうのお答えでした。

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2016年5月21日 (土)

「1789 バスティーユの恋人たち」をみました

午前診を終え、梅田芸術劇場に行ってきました。

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反乱で父を殺され、恨みに思っていた農民ロナンがパリへ行きます。ロナンの妹ソレーヌは兄の後を追てパリへ行きますが、ジャコバン派議員ダントンの娼婦となっていました。ソレーヌを見つけてロナンは咎め、ダントンと決闘しますが、それが縁となってジャコバン派ロベスピエール、ダントン、デムーランの3人と知り合います。しかし彼らの言葉の端々にブルジョアの匂いを感じたロナンはいったん彼らの秘密新聞印刷結社を離脱します。

一方、ロナンの恋人オランプはマリーアントワネットとフェルゼンの浮気のお世話をしていましたが、それがルイ16世の知るところとなります。フェルゼンはマリーアントワネットをスウェーデンに連れ去ろうとしますが、「フランスの女王ですから」のれいの名セリフでフランスに残ります。ロナンが革命家だと知ったマリーアントワネットは、オランプを解雇します。自由の身になったオランプは、ロナンのもとへ行き、ロナンはロベスピエールらジャコバン派と和解。ともにバスティーユ牢獄を襲撃しますが、ロナンは国王の兵に撃たれて死にます。

アベシェイエスの「第三身分とはなにか」で三部会招集の機運が高まりましたが、三部会で敗北した第三身分が、テニスコート(球戯場)で、国民議会設立を誓い、「自由」「友愛」「平等」のフランス人権宣言が高らかに舞台で読み上げられます。

舞台では「他人を傷つけない限りの自由」と長ったらしく断りを入れていましたが、それならルイ16世やマリーアントワネットを傷つけちゃいけませんよね。要するに王権神授説を完全否定したルソーの社会契約論は論理破綻していたのに、大衆心理で粛清の恐怖政治になだれ込んでいったのです。本来は国際的な組織だったフリーメイソンの暗躍があったのですが、それは舞台では描かれず。

フランス革命は貴族と平民の対立として描かれますが、平民が真っ先に襲撃したのは聖職者や教会でした。カトリック信仰を禁止したのですよ。これこそフリーメイソンの第一目標でした。事実に即して描くべき。最後は。ロベスピエールという一人の清廉潔白な人間を「理性の最高存在」として崇め奉る始末。

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花總まり、夢咲ねねのジェンヌゴールデンコンビを狙ってチケットを取っていました。

花總まりは、実に堂々とした「フランスの女王」マリーアントワネットらしい熟練演技でした。相手役のロナンやフェルゼンがかすんでしまうほどの女帝ぶりでした。

宝塚歌劇退団間もない夢咲ねねのオランプもうまくこなしていましたが、若さを感じました。これからを期待したいですね。

やっぱり目立っていたのはソニン。主人公ロナンの妹ソレーヌ役でしたが、涙を流しながらの熱演と歌唱力は素晴らしかったです。

舞台では、革命家の肩を持ちつつ、その愚かさも匂わせ、「恨みは尽きることがない」という仏教思想で締めくくっていました。

最後に、端役の男優さんの月面宙返り、すばらしかったですよ。

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2016年5月20日 (金)

勝ちパターンに入った阪神タイガース

藤川球児もリリーフに入って、長打力の高山を中心に、若トラの活躍がめざましい。

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2016年5月17日 (火)

いま流行している病気

いま流行しているのは、

1.アデノウィルス感染症(プール熱)

2.伝染性紅斑(りんご病)

3.ノロウィルス胃腸炎

4.溶連菌感染症

うがい、手洗いに注意してください。

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2016年5月14日 (土)

奈良国立博物館「信貴山縁起絵巻」をみて

午前診を終え、奈良国立博物館へ行ってきました。

最前列で見なければ無意味なので、並びました。順番待ちで30分、全3巻を見るのに1時間半かかりました。

信貴山縁起絵巻 山崎長者巻

信貴山縁起絵巻 延喜加持巻

信貴山縁起絵巻 尼公巻

ナンバ歩きを確認。人物像中心にじっくり見てきました。こどもが下着を付けているのかいないのか、悩みました。

最後に2D映像が無音字幕付きで流れていますので、じっくり堪能できました。

楠木正成の菊の紋入り兜

楠木正成直筆の菊水の旗

松永久秀の書状

何気にお宝が展示してあって、この目で見てきました。

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2016年5月13日 (金)

これからの医療

坂爪捷兵先生の正論に全く同意しましたので、記しておきます。

1.人口増加策を図る

2.平均寿命より健康寿命を重視する

3.治療より予防を重視する

4.高齢者の社会貢献を推進する

5.社会や地域、さらには国家のために貢献する活動を推進する

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2016年5月12日 (木)

江戸徳川悪政から河上肇「日本型共産主義」へ

田中秀臣先生、上念司先生の経済史を学ぶにつけ、家康が図った総白痴化政策に吐き気を覚えてきた。

徳川の安泰がすなわち戦国の終焉であり、天下泰平と考えていた。そのために凶暴な武士に朱子学を押し付けて懐柔し、てめえは大奥で国家予算の1/4を浪費しているくせに、下級武士の正論に耳を傾けず、ご威光に逆らったとして国士を処刑し、農民を農村に縛り、奢侈を悪、倹約を善としてデフレ下の緊縮財政で都市市民を痛めつけてきた。

農村の農業技術が進歩

→ 米価が下がる

→ 武士の給与が下がる

→ 商人が武士に貸し付けて、都市が裕福になる

→ 農民が都市に人口流出して、年貢が減る

→ 緊縮財政を敷いて、敢えて都市をデフレにしておく

→ 農民を村に居つかせ、年貢を納めさせる

デフレを善だとする考え方が河上肇に引き継がれた。米騒動を資本主義の限界とみて、農民を農村につなぎとめたままで、共産主義へ日本を変えていこうと画策し始めた。

ソ連を見てわかるように、これは全く誤りであった。リフレ政策を説いた石橋湛山は河上肇に真っ向から反対した。

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2016年5月11日 (水)

大アマゾン「黄金を求める男たち」をみて

サバイバルとはこのことか。貧乏に打ち勝つ方法が見当たらない。一発を夢見て男たちはやってきて、そして夢破れて去っていく。

規模は小さいが、「理三くずれ」と呼ばれたエリート崩れの男たちの多浪集団が昔、予備校には存在していて、こんなムードだった。おいらの好きな歌は、ゴダイゴの「ガンダーラ」。

「そこに行けば、どんな夢も叶うというよ♪」

おいらは教授になりたいと思ったことはないが、夢破れて捲土重来、京大教授になっている「理三くずれ」もいる。

掟を破った者は容赦なく殺される。

出生地がゴミ箱だという男、黄金の地で男と娼婦が結ばれ生れ出て、黄金の地しか知らない男、親の仇を求め歩く男。みんないい顔をしていた。

南北朝・室町・戦国時代の日本もこんな男たちの国だったのだろう。

婆沙羅しようぜ。

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2016年5月 4日 (水)

林修の今でしょ!講座をみて

江戸庶民の暮らしを磯田道史先生が解説するというので、昨夜見ました。

小判改鋳(悪鋳)で江戸時代がインフレに陥っていると言われていましたが、ぜひ上念氏の本を読んでほしい。

経済で読み解く明治維新

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江戸時代はデフレに陥っていました。悪呼ばわりされている小判改鋳が実はリフレ政策であって善政だったというのですから、歴史学者もマクロ経済をしっかり学んでほしい。

デフレ下の緊縮財政は悪政です。

「教育」について追加。寺子屋の先生にもおかしな人がいて迷惑をこうむっていた。だから明治で教職員免許を発行して、先生の質を向上しました。

「医療」について追加。江戸で手っ取り早く儲ける方法がありました。長崎へ行って、ちょろっと医者じゃない蘭学者から軟膏の製法を学んで、それを江戸で売りました。シーボルトの眼科や、シーボルトの娘イネのような産婦人科はなかなか習得困難でした。

「食料」について追加。江戸初期は元々うどんを食べていましたが、菓子屋が田舎そばをはじめて、江戸で大ヒットしたため、そばが主流になりました。江戸で流行った酒は、伊丹の「剣菱」でした。尼子氏家臣の山中鹿之介のこどもが伊丹で酒製造をはじめ、「剣菱」を生みました。

「仕事」について追加。長屋の大家さんが、ニートの再就職の世話をしていましたし、仕事がいやになったら、丁稚小僧でも「お伊勢参り」を理由にすれば天下御免、全面的に長期休暇をとることができました。馬糞を駄賃に替えるこどもがいましたが、栄養のない野犬の糞は売れなかったので、拾う人がいなくて野犬の糞だらけの汚い道路でした。

江戸時代の最大の欠点は、迷信がはびこっていたこと。サイエンスを山師呼ばわりして排除していたことが、一番の問題点でした。

江戸はリサイクル社会。とくに再生紙産業は栄えており、浮世絵や本を、吉原のティッシュペーパーや長屋のトイレットペーパーに再生していました。

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2016年5月 3日 (火)

今日はゴミの日

あ、そうか。

今日はゴミの日。

マッカーサーの落書きの日だったね。

国民全員が主権を持つって意味が分からない。誰が責任取るの?

国籍安売りの世に、そもそも国民って誰のこと?

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2016年5月 1日 (日)

若冲展を観て

今日は日帰りで、上野の東京都美術館まで行ってきました。チケットはローソンで買っていたので、80分の待ち時間で入場。



1階の動植綵絵がメインでしたが、最前列がまったく動かず。1周するのに1時間要しましたが、ここは気合で2周して帰ってきました。

鶏の尾っぽに欠けている部分があり、なかなかよかったです。

若冲は水墨画にたけており、グラデーション技法ややり直しのきかない筆遣いは、水墨画から会得したものです。黒色や白色にグラデーションをかけ、鶴や鶏の羽を描いており、白黒だけでもたいした技法でしたが、そこに天才的な色彩感覚が倍増以上の価値を付けています。

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