神戸市立博物館「鶴亭」をみて
昨日は伊藤若冲の師匠の特別展を見に行ってきました。
鶴と牡丹の花鳥画で勇名を馳せましたが、実は作品の割合が山水画7割、花鳥画3割の比重だそうです。
鶴亭は臨済宗の僧侶であって、清国で流行っていたのが沈南頻の花鳥画。その弟子筋の熊斐(ゆうひ)が長崎中華街に来ていて、そこで鶴亭は山水画と花鳥画を学びました。
写実画は言い換えれば、サイエンスの目覚めであって、倫理道徳ばかり説かれた世にあって、一服の清涼剤でした。これも徳川吉宗、田沼意次のおかげでしょう。
山水画の「篠竹図」「墨竹図」で、グラデーション技法を学び、それが花鳥図で大いに生かされました。牡丹は最高の絵だと思いました。
牡丹綬帯鳥図
池大雅と親友で、多くの弟子のひとりに、大坂の巨人・木村兼葭堂(きむらけんかどう)がいました。
ラスト1/4は弟子筋の絵が飾っていましたが、伊藤若冲の登場を待つまで、大きな進歩はなかったようです。
帰りは、旧外国領事館「CARTA」のランチ・ケーキセットで、典型的「三ノ宮ぶらぶら」を締めくくりました。京都や横浜のように人込みはなく、最高の休日を過ごせました。
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