第67回正倉院展をみて
昨日は、午前診を終え、友人と正倉院展に午後3時過ぎから行ってきました。
中央に展示してあるメインディッシュから見ていき、空いた頃合いをみて壁ガラスに順番待ちして、第1部、第2部、第3部と一通り見終えたのが4時半過ぎ。いったんショッピングコーナーで図録を買ってベンチに座って休憩。午後5時10分に、逆行して(←ここがミソ)第1部に行くと、そこはもう見放題状態になっていました。
今年の第2部は手抜きなのか、展示物間のスペース空きすぎでガラガラ状態。掛け軸コーナーもシャッターおろして店じまい状態でした。
第3部は例年並み。奈良時代の手紙は必見。ワシ、疲れたから300文やるから仕事代わってくれへんかみたいな手紙があって面白い。ちょっと親が病気でなんていう緊急の手紙は、墨の薄さで、よっぽど急いで書いたんやなとわかって、面白い。あと隼人が大挙して畿内に連行された際の戸籍が展示してました。身分、性別、年齢、合計何人連れてきやした風の報告書。
平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)
褐色の琥珀と白く光る夜光貝。聖武天皇の持ち物です。
山水花虫背円鏡(さんすいかちゅうはいのえんきょう)
マイルドな白銅色の鏡で、真ん中に海、四方に山並みが描かれています。まんなかに取っ手代わりの海獣が一匹います。この鏡が私のベスト1です。腐るほど古代の鏡を見てきましたが、こんな色彩の鏡は見たことがありません。
紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)
4弦の琵琶。表には薄く山水画風の色彩画が描いております。ベンベンこすったのでいまはよく見えません。裏は2パターンのモチーフで花弁が描かれていて、しかも緑、白、褐色の色彩豊かなデザイン。これはいまの服飾デザインにも使えるんじゃない。
彫石横笛(ちょうせきおうてき)
彫石尺八(ちょうせきしゃくはち)
ともに石に穴をあけて笛にしていました。どうやって作ったのか?唐・太宗のときに生きた呂才が作ったそうで、遣唐使が持ち帰ったそうです。音もばっちり出ていて、録音が会場に流れていました。
琥珀魚形(こはくのうおがた)
腰にぶら下げて見せびらかしたようです。琥珀でできた魚に細かくウロコが彫ってあり、よく見ないとわかりません。俺しかわからないオレ流のこだわりみたいな感じがして面白い。
あとは、僧侶が「威厳を保つ」ための獣毛グッズのオンパレード。説法するときに持つ麈尾(しゅび)。象牙の飾りが散りばめてあって、イノシシの毛を使ってあるそうです。こんなもんで威厳が保てた教師生活は平和だった。いまのヤンキーならボキッとへし折っておしまいかも。麈尾の麈(しゅ)は、大きな鹿の意味だそうです。勉強になるね。
150巻の経文を書けば、筆が1本支給されたそうです。おもろい。
経文の書写にウサギの毛筆、細い界線に鹿の毛筆、経典の題名にはタヌキの毛筆が使われました。
紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)
毎度おなじみのものさしが1本、第3部に展示してありました。天女と鶴と花のお飾り、好きだなあ。飛天が最高だね。
| 固定リンク
最近のコメント