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2005年5月18日 (水)

新しいアトピー治療薬、NF-κBデコイ軟膏

今日はNF-κBデコイ軟膏について解説したいと思います。NF-κBは炎症を引き起こす主役とお考えください。デコイ(decoy)はオトリという意味で、NF-κBを半分程度抑制します。全部抑制しますとステロイド剤のようにさまざまな副作用を生じますので、半分程度といったところがミソです。デコイが血中に入りますとDNA分解酵素の働きですぐに分解されますので、肝臓を傷めることはありません。RNAを用いた治療がいま盛んに研究されていますが、RNA分解酵素は皮膚をはじめ身体のいたるところにあって、RNAデコイは不安定で使いにくいのが欠点です。
 私が研究開発したNF-κBデコイ軟膏は、白色ワセリンを基剤として、少し乳化剤を加えてNF-κBデコイを綺麗に混ぜてあります。NF-κBデコイは毛穴を通って、真皮に到達します。顔面には毛穴が多いので、一番効果が出るのです。真皮にはアトピーの原因である肥満細胞が住んでおり、痒みの元になる物質をたくさん胃袋に蓄えているのです。ゴミ処理人(スカベンジャー)ともいえる肥満細胞が、ゴミのようなDNA(NF-κBデコイ)を喜んで食べるのです。リンパ球にはそういった貪食作用がないために、NF-κBデコイによって免疫抑制がかからず、プロトピック軟膏のような副作用は出ないのです。肥満細胞にまんまと食べられたNF-κBデコイは、肥満細胞の細胞死(アポトーシス)を促し、痒みが速効で消えるという仕組みです。NF-κBデコイ軟膏は人智の極みともいえるのではないでしょうか。
 アメリカニューヨークのアレルギー学会(AAAAI)で発表したときは、口演直後から1分間座長と聴衆から拍手喝采(スタンディング オベーション)をいただきました。ぜひ臨床応用までもっていってほしいとも頼まれました。もうすぐ日本の皆様からも納得して受け入れていただけることを確信しています。

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